譲渡条件と手順

15項目のお願い

お申込みをいただく前に

(1)譲渡条件、譲渡までのプロセス、大切なお願いなどを全部で15項目、記載しています。全てを十分にお読みいただき、ご了解いただいた上で、お申込みされるかどうかをご判断下さい。これから何年も一緒に暮らすことになるパートナー選びですので、後で後悔するようなミスマッチングを避けるためにも、慎重にお考え下さい。譲渡条件やいろいろなお願いをよくお読みにならずに、お申込みされたものと思われる場合には、対応させていただけません。また、様々な条件をクリアしていただくことをお願いしているのは、「上から目線」ではなく「犬から目線」で検討させていただき、犬だけではなく、飼い主ご家族にもしあわせになっていただくためとご理解下さい。

(2)お知らせいただいたお住まいの環境、家族構成、飼育経験などの情報をもとに、譲渡候補となる方を選ばせていただきます。お申込みが多く、複数の方が候補となった場合には、無作為の抽選で選ばれた方のみに、ご連絡させていただきます。

(3)犬との暮らしには、「ゆとり」が必要です。「時間のゆとり」「お金のゆとり」「心のゆとり」「変化へのゆとり」です。「ゆとり度の高さ」で、交渉の優先順位を判断させていただきます。

(4)純血種やそのミックス犬を希望される場合には、その犬種の特徴や気質などを調べて、ご自身の飼育環境やライフスタイルに適しているかをお考え下さい。

(5)最初から理想的な家庭犬がいるわけではありません。ただ飼えばいいというのではなく、良きパートナーになるように育てるための「知識」や「技術」が必要です。初心者の方だけではなく、飼育経験のある方も、最新の医療的なケア、栄養管理、お手入れなどについて、お調べ下さい。

(6)譲渡対象エリア外からの応募は、お受けできません。対象エリアは、埼玉、東京、千葉、神奈川で、こちらから、ご自宅にお伺いすることがあるため、エリアを限定させていただいています。原則として、犬舎のある埼玉県所沢市から車で1時間圏内です。エリア外だけれど、遠いことは苦にならないからとお申込みされることは、ご遠慮下さい。

譲渡条件と譲渡までのプロセス

(7)お住いについて

自己所有の一戸建て、あるいはペット可の集合住宅にお住まいであることが条件です。

一戸建ての場合には、室内飼いのみです。

集合住宅の場合には、ペット可の物件であることが絶対条件です。すでに先住犬がいる場合には、ペット飼育細則で、複数頭の飼育が認められていなければなりません。

また、廊下やエレベーターなどの共用スペースでは、ワンコを抱きかかえることがマナーですので、小型犬が好ましく、中型犬はお勧めしていません。

運転免許証など公的なもので、ご住所を確認させていただきます。

(8)犬だけでお留守番する時間が少ないご家庭を優先します。

ご家族のどなたかが常にお家にいて、犬の面倒を見ていただけるご家庭を優先致します。共稼ぎのご家庭でも、奥様はフルタイムでは働いていないので、子犬がひとりぼっちで留守番する時間はそんなに長くならないといった場合には、柔軟に判断させていただきます。ただし、手のかかる赤ちゃん犬ではなく、6ヶ月齢以上の幼犬か成犬を迎えることもご検討下さい。

(9)幼いお子さんがいる、あるいは出産予定があるご家庭への譲渡は、簡単ではありません。

乳幼児、幼稚園児がいるご家庭への譲渡は、簡単ではありません。幼い子供さんが犬をおもちゃにしてしまうということもありますが、子どもさんが、犬が嫌がっているのに気づかずに、触り続けて、我慢できなくなった犬に咬まれてしまうといったことが懸念されるからです。現在、先住犬を飼っている、あるいは最近まで飼っていたので、ご両親が飼い方のノウハウを十分に持っていて、子どもさんと犬とのふれあいもきちんとコントロールできるといったことが条件になります。また、近い将来、出産の予定があるというご家庭は、産まれてくる赤ちゃんに手がかかる時期に、犬を迎えることが適切かどうかを慎重にお考え下さい。

(10)ひとり暮らしの方への譲渡は、バックアップ体制が整っていることがポイントになります。

ひとり暮らしの方は、自営業で職場に犬を連れていける、あるいは時間の自由度が高いといった環境であれば、飼育経験なども踏まえて、譲渡の可否を判断致します。近くに実家があって、預かってもらえるといったサポートの有無を確認させていただきます。いざという時に、ペットシッターやペットホテルを利用できるといった経済的なゆとりがあるかどうかも、判断の条件になります。

(11)60歳以上の方への譲渡には、後見人となるご親族のサポートを確認致します。

二世帯住宅で同居家族がいる、あるいは、近くに親族がいて、不測の事態に当たっては、犬を預かる、あるいは終生飼養をお約束いただけることが条件です。

(12)同居のご家族全員が、新たな犬を迎えることに同意していることが条件です。

ご家族に知らせずに、「きっと喜ぶだろう」と期待して、お申込みをされることは、ご遠慮下さい。ご家族全員が、新たに犬を迎えることに同意していることが必要です。また、どなたかおひとりでも難色を示しているようでしたら、申込みはなさらないで下さい。

(13)保護犬の譲渡費用について

*給餌・育成費用800円/日 × 90日上限として、72,000円 *施設の維持管理費(電気・水道・ガス・消耗品)200円/日 × 90日上限として、18,000円 *初期獣医療費(身体機能検査、健康診断、寄生虫駆除)25,000円 *活動支援金15,000円で、合計金額130,000円です。さらに、感染症予防ワクチンを2~3回接種、マイクロチップ装着の費用のご負担をお願いしております。(感染症予防ワクチンは1回5,500円×接種回数、マイクロチップ装着は5,500円です。)

譲渡費用に関する付帯事項 :

*給餌・育成費用800円/日額は、90日(3ヶ月)上限です。入舎日からトライアル開始日までの期間が90日に満たない場合は、清算可能です。清算を希望されない場合には、差額は、シェルターで終生飼養している老犬や障害犬(2011年12月現在で15頭)の養育費に充てさせていただきます。
*給餌はプレミアム・ドライフード&ウェットフード&牛・豚・鶏ミンチで、1頭当たり400円/日になります。
*育成費には、人件費が含まれ、改正動物愛護法で20頭ごと常勤1名の定めに則り、在舎頭数40頭として、日勤スタッフ2名+宿直勤務1名の3名分です。1か月に10頭を譲渡できたとすると、400円×30日×10頭で1か月120,000円なので、それを3名で割ると一人当たり月額40,000円、日給は約1,350円、6時間勤務とすると時給換算では225円です。この時給で働いていただける方はいませんから、実際の人件費の8割方は持ち出しになります。
*活動支援金の返礼品として、プレミアム・ドライフード(小粒・3kgパック)、トイレシート、マナーベルト、消臭剤、ウェットシート、おもちゃ類などを付けさせていただきます。(在庫の有無で、内容が変更になる可能性があります)
*近隣エリアであれば、お届け可能、無料です。

(14)譲渡までのプロセスについて

  1. 犬と暮す住環境や家族構成、飼育経験などを質問させていただきます。
  2. 犬を受け入れる条件が整っていれば、譲渡に向けてのステップに進んでいただきます。
  3. 申し込んだ犬に会いに来て下さい。できるだけ時間をかけて、ふれあっていただき、ご家族や先住犬との相性がぴったりかどうかを、十分に見定めて下さい。(先住犬を連れてくることはできません。)
  4. ご自宅に戻られてから、ご家族で犬を迎え入れるかどうかを話し合って下さい。譲渡を希望する場合は、その旨をご連絡下さい。同時に、保護活動へのご支援金の希望額をお知らせ下さい。譲渡応諾の返事が来ましたら、ホームステイを開始したい日(お迎え希望日)を幾つかお知らせ下さい。
  5. お住いがこちらから近距離の場合には、ご自宅に犬をお届け致します。遠距離の場合には、犬を迎えにお越し下さい。
  6. 1週間のお試し期間で、パートナーとして一緒に生活していけるかどうかを見定めて下さい。OKでしたら、正式に家族の一員として迎える旨をこちらまでご連絡下さい。
    「お試し」となっていますが、試しに飼ってみるという簡単なものではなく、よほどのことがない限り、この犬を受け入れようとのお覚悟をお願いします。
  7. もし、一緒に暮していくことがむずかしいと判断された場合には、犬をお戻し下さい。お預かりした譲渡費用は、全額お返し致します。「あきらめる」ということも、大切な判断です。

(15)譲渡前の検診及び感染症予防

譲渡前に、獣医師によって犬の身体機能や健康状態の検査が行われます。目で見て(目診)、触って(触診)、聴く(聴診)という手法による検査になります。

特に重要と考えられるチェックポイントは、心臓に欠陥がないか(心雑音)、膝関節がゆるくないか(膝蓋骨脱臼/パテラ)、頭蓋骨に隙間があるか(モレラ)、ヘルニアはあるか(鼠経ヘルニア、臍ヘルニア)、歯の咬み合わせはどうか(不正咬合/アンダー・オーバー)などです。それら以外にも、視力や皮膚の状態などもチェックします。

感染症予防のワクチンは、毎年、同じ時期に接種しています。フィラリアの予防薬も毎年、一定期間、投与しています。

身体機能に大きな問題があったり、健康状態が良好ではないと考えられる犬は、譲渡の対象にはしていません。しかし、譲渡時に元気いっぱいの犬でも、生きものである以上、病気をしない、あるいは先天性の疾患が発現しないということは、お約束できません。譲渡後、早い時期に、何らかの病的な症状に気がついた場合には、犬をお戻し下さい。その際には、お預かりした譲渡時費用は、全額をご返金致します。